サブスクの印税は、1再生あたりがとても小さい。だから「聴かれてはいるのに、まったくお金にならない」という壁にぶつかります。その壁を越える現実的な一手が、BOOTHやBASEで、音源やグッズを“直接”売ることです。単価が高く、ファンとの距離も近い。この記事では、ショップの開設から商品登録、手数料の目安、在庫を持たない売り方、発送の準備までを、順番に手順化します。「難しそう」で止まっていた人が、今日ひとつ商品を並べられるところまで案内します。
まず数字の感覚を持ちましょう。サブスクは1再生あたりの単価がごくわずかで、まとまった額にするには膨大な再生が必要です(サブスクの1再生あたりの単価)。一方、BOOTHやBASEで2,000円のグッズが1つ売れれば、それは何万回もの再生に相当します。しかも、間に大きな仲介が入らず、ファンと直接つながれます。
この「ファンと直接つながって売る」発想を、D2C(Direct to Consumer)と呼びます。事務所や流通に頼りきらず、自分でファンに届ける形です(アーティストのD2C)。売上が作れないと悩む人ほど、まずここから始める価値があります(売上が作れないアーティストへ)。
両方とも無料で始められます。ざっくりの向き不向きを表にします。迷ったら「今いちばん売りたい物」に近いほうを選べばOK。
| 項目 | BOOTH | BASE |
|---|---|---|
| 得意 | 音源・データ・同人的な販売 | 自分ブランドの物販ショップ |
| ダウンロード販売 | とても手軽 | アプリ連携で対応 |
| 在庫を持たない販売 | 倉庫・受注に対応 | プリント連携アプリが豊富 |
| ショップの見た目 | シンプル | デザインを作り込みやすい |
| 開設費用 | 無料 | 無料 |
音源のデータ販売中心ならBOOTH、Tシャツ・CD・グッズを自分のブランドとして並べたいならBASE、という分け方が分かりやすいです。両方作っても構いません。まず1つ、から始めましょう。
開設は驚くほど簡単です。極小ステップで並べます。
ショップができたら、URLをプロフィールやリンクまとめに必ず載せます(リンクまとめの作り方)。せっかく作っても、たどり着けなければ売れません。
「何を売ればいいか分からない」で止まる人が多いので、始めやすい順に候補を挙げます。
| 商品 | 作りやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| 音源のダウンロード | ◎(在庫ゼロ) | オリジナル曲・インスト・歌詞データ |
| ステッカー・缶バッジ | ○ | 低単価で最初の1個が出やすい |
| Tシャツ・トート | ○(受注生産) | ロゴがあると作りやすい |
| CD・自主制作盤 | △ | コアファン向け・物としての価値 |
| 歌詞・楽譜・素材 | ◎(在庫ゼロ) | デジタルで完結 |
まずは在庫ゼロで始められる音源やデータから。物販に進むなら、売れるグッズの考え方はアーティストグッズの作り方、デザインの勘所は売れるグッズデザインの考え方にまとめています。ロゴがあると物販の見栄えが一気に上がります(アーティストロゴの作り方)。
値付けで損をしないために、必ず「原価+手数料+送料」を引いた手残りで考えます。売価だけ見て安くしすぎると、売れても赤字になりかねません。
「2,000円で売れた!」と喜んだら、原価800円・手数料・送料を引いて手残りは数百円だった——これはよくある失敗です。売価は“手残りから逆算”して決めましょう。
手数料率やプランは変わることがあるため、登録時に最新の条件を確認してください。グッズの原価と価格の考え方はグッズの作り方で、活動全体のお金の全体像は音楽活動にかかるお金で補えます。
「在庫を抱えるのが怖い」——当然の不安です。そこで、注文が入ってから作る受注生産(オンデマンド)を使えば、在庫リスクをほぼゼロにできます。
最初は在庫リスクの小さい受注型やデジタルで試し、売れ行きの手応えが出てから在庫型(まとめて作る)を検討する。この順番を守ると、お金の面でずっと安全です。少ないファンでも売上を作る考え方は少ないファンでも売上を作るもどうぞ。
売れた後の運用で慌てないよう、先に準備しておく項目です。
「ご購入ありがとうございます。あなたの応援が、次の1曲を作る力になります」——たった2行のお礼が、一度きりの購入者をリピーターに変えます。ここを自動化せず、手触りを残すのがコツです。
買ってくれた人を大切なファンに育てる視点はコアファンの育て方やリピーターの作り方に詳しくまとめています。物販は「売って終わり」ではなく「関係の入口」です。
宅録で弾き語りを続けるカナさん(仮名・26歳)は、SNSのフォロワーが約300人、いつも反応してくれる“濃いファン”は30人ほど。「この人数で売れるわけない」と物販をためらっていました。
そこでまず、在庫ゼロの音源ダウンロード(500円)とステッカー(受注・400円)だけをBOOTHに並べ、SNSで「初めてショップを作りました」と正直に告知。すると、いつも応援してくれる人たちが次々に買ってくれて、最初の1週間で約9,000円の売上に。金額の大小より、「自分の音楽にお金を払ってくれる人がいる」と実感できたことが、次の制作の燃料になりました。初めて1万円を稼ぐという最初の一歩は、大人数ではなく、この30人から始まりました。
カナさん「300人に届けようとしてた時は0円でした。目の前の30人に丁寧に届けたら、初めて売上になったんです」
A. 音源やイラスト、同人的なダウンロード販売を気軽に始めたいならBOOTH、自分のブランドとしてTシャツやCDなどの物販ショップをきれいに作り込みたいならBASEが向いています。両方とも無料で始められるので、まずは扱いたい商品に近いほうを1つ選び、必要になったらもう一方も追加する形で問題ありません。
A. できます。注文が入ってから印刷・製造して発送する仕組み(受注生産・プリント連携)を使えば、在庫を抱えず、初期費用を抑えてグッズを売れます。BOOTHの倉庫サービスやBASEの外部アプリ連携などがこれにあたります。まず在庫リスクの小さい受注型で試し、売れ行きを見てから在庫型を検討するのが安全です。
A. 自分で作詞・作曲・演奏したオリジナル曲なら、自分の権利で販売できます。一方、他人の曲のカバーや、他人の音源・素材を含む場合は、権利者の許諾や所定の手続きが必要になることがあります。カバーや歌ってみたを売りたいときは、事前に権利処理を確認してください。トラブルを避けるうえで、ここは省かないことが大切です。
A. 作れます。物販やダウンロード販売は、大人数より「濃いファン」との相性が良い収益です。100人のうっすらしたフォロワーより、10人の応援してくれるファンのほうが売上につながります。まずは今つながっている人に丁寧に届けることから始めれば、少人数でも最初の売上は十分に作れます。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
何を、いくらで、どう売るか。物販やダウンロード販売は、始め方と値付けを間違えなければ、少ないファンでも売上の初速を作れます。スタールートは、グッズや音源の設計から、ファンとの関係づくり、SNSでの届け方まで、全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。楽曲制作もSNS運用代行も、あなたの状況に合わせて。相談は何度でも無料です。