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ブランディング2025.06.28

刺さるキャッチコピー・肩書きの作り方|覚えてもらう一言を設計する

「あなたはどんな音楽をやっている人ですか?」——この問いに、一言で答えられますか。SNSのプロフィール欄、サブスクの紹介文、初対面の自己紹介。あなたを一行で説明する言葉は、想像以上にあちこちで使われます。そして、その一行が弱いと、いい曲を作っていても素通りされます。この記事では、ありきたりを卒業し、聴く前の人の記憶に残るキャッチコピーと肩書きを、型と例文で組み立てていきます。

キャッチコピーと肩書きは役割が違う

まず、2つの言葉を分けて考えます。混ぜると、どっちつかずの言葉になります。

肩書きキャッチコピー
役割立ち位置を分類するらしさ・気持ちを伝える
名詞(〜シンガー等)短い文・フレーズ
弾き語りシンガーソングライター終電を逃した夜に、そっと鳴る歌
効くところ検索・第一印象の分類記憶・共感・ファン化

肩書きが「見つけてもらう」ための言葉なら、キャッチコピーは「忘れられない」ための言葉です。両方あると強い。プロフィール全体の書き方はアーティストプロフィールの書き方にまとめているので、あわせて整えると効果的です。

なぜ「ありきたり」は素通りされるのか

「心に響く音楽をお届けします」「あなたに寄り添う歌」。悪くはないのに、まったく記憶に残らない。理由はシンプルで、誰にでも当てはまる言葉は、誰の記憶にも刺さらないからです。

人は毎日、何百というアカウントを親指でスクロールしています。その中で止まってもらうには、「あ、これ私のことだ」と一瞬で思わせる具体性が要ります。「心に響く」ではなく「終電を逃した夜に効く」。抽象を具体に翻訳するだけで、言葉は急に生きます。

POINT抽象語(癒し・感動・寄り添う)は、そのままだと透明で見えない。「いつ・誰に・どんな瞬間に」を1つ足して、情景が浮かぶ言葉に変換する。これが刺さるコピーの最短ルート。

刺さる言葉を作る4ステップ

センスに頼らず、手順で組み立てます。紙かスマホのメモを開いて、実際に書きながら進めてください。

STEP1. 素材を書き出す

次の4つを、思いつくだけ箇条書きにします。整えなくていいので量を出します。

  • あなたの音楽は「誰」に届けたい?(例:夜に一人で頑張る人)
  • 聴いたあと、どんな「気持ち」になってほしい?(例:明日もう一日やれる)
  • 音の特徴を一語で言うと?(例:やわらかい・攻めてる・切ない)
  • あなたにしか語れない一場面は?(例:バイト帰りの終電で作った曲)

STEP2. 「誰に×どんな瞬間」を組む

STEP1の素材から、「誰に」と「どんな瞬間」を掛け合わせます。ここがコピーの核になります。例:「夜に頑張る人」×「終電の車内」=「終電の窓に映る、あなたのための歌」。

STEP3. 削る

できた文から、無くても意味が通る言葉を削ります。形容詞は特に削り時。「すごく優しい温かい歌」より「優しい歌」、さらに削って「静かに効く歌」。短いほど強くなります。

STEP4. 声に出して確かめる

最後に音読します。言いにくい、リズムが悪いと感じたら直します。口に乗る言葉は、記憶にも乗ります。

そのまま使えるコピーの型5パターン

ゼロから生むのが難しければ、型に当てはめるのが早いです。あなたの言葉を入れて試してください。

雛形
シーン型〔いつ・どこ〕に効く歌眠れない夜に効く弾き語り
ギャップ型〔意外な組み合わせ〕元コンビニ夜勤の、静かなラブソング
宣言型〔届けたい相手〕の味方でいる頑張りすぎる人の、味方でいたい
比喩型〔身近なもの〕みたいな音楽コンビニのおでんみたいに沁みる歌
問いかけ型〔問い〕、聴いてくれませんか今日、ちゃんと頑張ったあなたへ
迷ったら「シーン型」から始めるのがおすすめです。「いつ聴く歌か」が決まるだけで、あなたの音楽の居場所がはっきりします。居場所がある音楽は、必要な人に届きやすい。

この言葉づくりは、世界観そのものの整理と地続きです。まだ軸が定まっていない人はアーティストの世界観の作り方セルフブランディングの作り方を先に読むと、コピーが書きやすくなります。

肩書きの作り方|検索と個性の両立

肩書きは「見つけてもらう」ための言葉なので、奇抜さより分かりやすさを優先します。ただ、一般的な言葉だけだと埋もれます。そこで、次の式で組みます。

肩書きの公式〔一般的なジャンル語〕+〔あなたらしい修飾〕。例:弾き語りシンガー + 深夜担当 =「深夜担当の弾き語りシンガー」。土台は検索に強く、修飾で個性が出る。

「シンガーソングライター」「弾き語り」「ボカロP」「ラッパー」といった言葉は、そのジャンルを探している人が実際に検索します。土台に入れておくと見つけてもらいやすい。そこに、あなたの音を一言で表す修飾を足せば、埋もれずに済みます。活動名そのものに迷いがある場合はアーティスト名の決め方もあわせてどうぞ。

ミニ事例:埋もれていた「はるとさん(仮名)」の場合

はるとさんの元のプロフィールは「音楽やってます。よろしくお願いします」でした。曲は良いのに、SNSのプロフィールからフォローにつながらない。そこで肩書きを「平日夜に更新する、宅録ラブソングの人」に、コピーを「残業終わりの帰り道に、そっと」に変えました。やったのは言葉を変えただけ。すると、プロフィールを見た人が「どういう人か」を一瞬で理解できるようになり、投稿からフォローへの流れが以前より自然になったと言います。中身は同じでも、入口の一行で伝わり方は変わります。

ビフォー・アフターの改善例

抽象を具体に変えると、どう化けるか。実際の変換例を並べます。

ビフォー(ありきたり)アフター(具体的)
心に響く音楽を届けます終電を逃した夜に効く、弾き語り
あなたに寄り添う歌頑張りすぎる人の、味方でいたい
優しい世界観のアーティストまくらの隣で流したい、静かな声
感動を届けるシンガー泣きたい夜の、逃げ場所になる歌

やってはいけないNGパターン

  • 盛りすぎ・言い切りすぎ/「日本一泣ける」など根拠のない最上級は、かえって信頼を落とします。事実の範囲で。
  • 専門用語や造語だけ/自分にしか分からない言葉は、そもそも検索も理解もされません。
  • 誰にでも当てはまる言葉/「みんなを笑顔に」は、誰の記憶にも残りません。
  • 音の印象と言葉のズレ/激しいロックなのに「癒し系」など、聴いた人が裏切られる言葉はNG。
  • 長すぎる/二行にわたるコピーは覚えられません。いちばん強い一言を残す。

仕上げチェックリスト

完成したコピーと肩書きを、公開前に確認してください。

  • コピーに「いつ・誰に・どんな瞬間」のどれかが入っている
  • 15〜25文字で、ひと目で読み切れる
  • 肩書きに一般的なジャンル語が土台として入っている
  • 音読してリズムが良い
  • 音楽を聴かない人に見せて、想像が実際の音とズレなかった
  • 盛りすぎ・根拠のない最上級を使っていない
  • SNS・サブスク・名刺で同じ言葉を使い回せる

よくある質問

Q. キャッチコピーと肩書きは何が違うのですか?

A. 肩書きは「弾き語りシンガー」のようにあなたの立ち位置を一言で示すもので、キャッチコピーはその人らしさや届けたい気持ちを短く表現した言葉です。肩書きは名詞で分類し、キャッチコピーは感情や世界観を伝えます。両方あると、検索でも見つかりやすく、記憶にも残りやすくなります。

Q. ありきたりなコピーになってしまいます。どうすれば良いですか?

A. 抽象的な言葉を、具体的な情景や数字に置き換えると独自性が出ます。「心に響く歌」ではなく「終電を逃した夜に効く歌」のように。誰にでも当てはまる言葉ほど、誰の記憶にも残りません。あなたにしか書けない一場面を入れるのがコツです。

Q. キャッチコピーは何文字くらいが良いですか?

A. 目安は15文字から25文字前後です。SNSのプロフィール欄やサムネイルに乗せることを考えると、ひと目で読み切れる長さが理想です。長い場合は、いちばん強い一言を残して他を削ると引き締まります。

Q. 肩書きは有名なジャンル名にしたほうが検索されますか?

A. 検索のされやすさを考えると、シンガーソングライターや弾き語りといった一般的な言葉を土台に入れるのは有効です。その上で、あなたらしい修飾を一つ足すと、埋もれずに個性も伝わります。奇抜すぎる造語だけにすると、そもそも検索されないので注意が必要です。

Q. 作ったコピーが合っているか、どう判断すればいいですか?

A. 信頼できる人に見せて、あなたの曲を聴かずにどんな音楽か想像してもらうのが一番です。その想像が実際の音とズレていなければ、そのコピーは機能しています。ズレていたら、言葉が音の印象と合っていないサインです。

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