「あなたはどんな音楽をやっている人ですか?」——この問いに、一言で答えられますか。SNSのプロフィール欄、サブスクの紹介文、初対面の自己紹介。あなたを一行で説明する言葉は、想像以上にあちこちで使われます。そして、その一行が弱いと、いい曲を作っていても素通りされます。この記事では、ありきたりを卒業し、聴く前の人の記憶に残るキャッチコピーと肩書きを、型と例文で組み立てていきます。
まず、2つの言葉を分けて考えます。混ぜると、どっちつかずの言葉になります。
| 肩書き | キャッチコピー | |
|---|---|---|
| 役割 | 立ち位置を分類する | らしさ・気持ちを伝える |
| 形 | 名詞(〜シンガー等) | 短い文・フレーズ |
| 例 | 弾き語りシンガーソングライター | 終電を逃した夜に、そっと鳴る歌 |
| 効くところ | 検索・第一印象の分類 | 記憶・共感・ファン化 |
肩書きが「見つけてもらう」ための言葉なら、キャッチコピーは「忘れられない」ための言葉です。両方あると強い。プロフィール全体の書き方はアーティストプロフィールの書き方にまとめているので、あわせて整えると効果的です。
「心に響く音楽をお届けします」「あなたに寄り添う歌」。悪くはないのに、まったく記憶に残らない。理由はシンプルで、誰にでも当てはまる言葉は、誰の記憶にも刺さらないからです。
人は毎日、何百というアカウントを親指でスクロールしています。その中で止まってもらうには、「あ、これ私のことだ」と一瞬で思わせる具体性が要ります。「心に響く」ではなく「終電を逃した夜に効く」。抽象を具体に翻訳するだけで、言葉は急に生きます。
センスに頼らず、手順で組み立てます。紙かスマホのメモを開いて、実際に書きながら進めてください。
次の4つを、思いつくだけ箇条書きにします。整えなくていいので量を出します。
STEP1の素材から、「誰に」と「どんな瞬間」を掛け合わせます。ここがコピーの核になります。例:「夜に頑張る人」×「終電の車内」=「終電の窓に映る、あなたのための歌」。
できた文から、無くても意味が通る言葉を削ります。形容詞は特に削り時。「すごく優しい温かい歌」より「優しい歌」、さらに削って「静かに効く歌」。短いほど強くなります。
最後に音読します。言いにくい、リズムが悪いと感じたら直します。口に乗る言葉は、記憶にも乗ります。
ゼロから生むのが難しければ、型に当てはめるのが早いです。あなたの言葉を入れて試してください。
| 型 | 雛形 | 例 |
|---|---|---|
| シーン型 | 〔いつ・どこ〕に効く歌 | 眠れない夜に効く弾き語り |
| ギャップ型 | 〔意外な組み合わせ〕 | 元コンビニ夜勤の、静かなラブソング |
| 宣言型 | 〔届けたい相手〕の味方でいる | 頑張りすぎる人の、味方でいたい |
| 比喩型 | 〔身近なもの〕みたいな音楽 | コンビニのおでんみたいに沁みる歌 |
| 問いかけ型 | 〔問い〕、聴いてくれませんか | 今日、ちゃんと頑張ったあなたへ |
迷ったら「シーン型」から始めるのがおすすめです。「いつ聴く歌か」が決まるだけで、あなたの音楽の居場所がはっきりします。居場所がある音楽は、必要な人に届きやすい。
この言葉づくりは、世界観そのものの整理と地続きです。まだ軸が定まっていない人はアーティストの世界観の作り方やセルフブランディングの作り方を先に読むと、コピーが書きやすくなります。
肩書きは「見つけてもらう」ための言葉なので、奇抜さより分かりやすさを優先します。ただ、一般的な言葉だけだと埋もれます。そこで、次の式で組みます。
「シンガーソングライター」「弾き語り」「ボカロP」「ラッパー」といった言葉は、そのジャンルを探している人が実際に検索します。土台に入れておくと見つけてもらいやすい。そこに、あなたの音を一言で表す修飾を足せば、埋もれずに済みます。活動名そのものに迷いがある場合はアーティスト名の決め方もあわせてどうぞ。
はるとさんの元のプロフィールは「音楽やってます。よろしくお願いします」でした。曲は良いのに、SNSのプロフィールからフォローにつながらない。そこで肩書きを「平日夜に更新する、宅録ラブソングの人」に、コピーを「残業終わりの帰り道に、そっと」に変えました。やったのは言葉を変えただけ。すると、プロフィールを見た人が「どういう人か」を一瞬で理解できるようになり、投稿からフォローへの流れが以前より自然になったと言います。中身は同じでも、入口の一行で伝わり方は変わります。
抽象を具体に変えると、どう化けるか。実際の変換例を並べます。
| ビフォー(ありきたり) | アフター(具体的) |
|---|---|
| 心に響く音楽を届けます | 終電を逃した夜に効く、弾き語り |
| あなたに寄り添う歌 | 頑張りすぎる人の、味方でいたい |
| 優しい世界観のアーティスト | まくらの隣で流したい、静かな声 |
| 感動を届けるシンガー | 泣きたい夜の、逃げ場所になる歌 |
完成したコピーと肩書きを、公開前に確認してください。
A. 肩書きは「弾き語りシンガー」のようにあなたの立ち位置を一言で示すもので、キャッチコピーはその人らしさや届けたい気持ちを短く表現した言葉です。肩書きは名詞で分類し、キャッチコピーは感情や世界観を伝えます。両方あると、検索でも見つかりやすく、記憶にも残りやすくなります。
A. 抽象的な言葉を、具体的な情景や数字に置き換えると独自性が出ます。「心に響く歌」ではなく「終電を逃した夜に効く歌」のように。誰にでも当てはまる言葉ほど、誰の記憶にも残りません。あなたにしか書けない一場面を入れるのがコツです。
A. 目安は15文字から25文字前後です。SNSのプロフィール欄やサムネイルに乗せることを考えると、ひと目で読み切れる長さが理想です。長い場合は、いちばん強い一言を残して他を削ると引き締まります。
A. 検索のされやすさを考えると、シンガーソングライターや弾き語りといった一般的な言葉を土台に入れるのは有効です。その上で、あなたらしい修飾を一つ足すと、埋もれずに個性も伝わります。奇抜すぎる造語だけにすると、そもそも検索されないので注意が必要です。
A. 信頼できる人に見せて、あなたの曲を聴かずにどんな音楽か想像してもらうのが一番です。その想像が実際の音とズレていなければ、そのコピーは機能しています。ズレていたら、言葉が音の印象と合っていないサインです。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
自分のことを言葉にするのは、いちばん難しい作業です。スタールートは、あなたの音楽の芯を一緒に掘り起こし、キャッチコピーからプロフィール、SNSでの発信まで整える伴走をしています。全国どこからでもオンライン対応、未経験からの相談も歓迎です。まずは今のコピーを見せに来てください。何度でも無料で相談できます。