「曲を作ってみたいけれど、コード進行がまったく分からない」。そんな人でも大丈夫です。じつはヒット曲の多くは、ほんの数種類の“定番の型”を組み合わせて作られています。この記事では、むずかしい理論は最小限にして、そのまま真似できる定番進行、キーの決め方、雰囲気別の選び方、そしてワンランクおしゃれに聞かせるコツまでを、順番にやさしく説明します。読み終わるころには、鼻歌に和音を付けられるようになっているはずです。
コードとは、いくつかの音を同時に鳴らした「和音」のこと。その和音を時間の流れにそって並べたものが、コード進行です。メロディがお話だとすれば、コード進行はその下でずっと流れている“空気”や“景色”のようなもの。同じメロディでも、下に置く和音を変えるだけで、明るくもなれば切なくもなります。
ここで安心してほしいのは、進行にはすでに「気持ちいい」と証明された定番の型がいくつもあるということ。ゼロから音を探す必要はありません。まずはその型を丸ごと借りて、上にメロディを乗せる。これが、いちばん早く曲を形にする方法です。
進行を作る前に、まずキー(曲の基準になる音の高さ)を決めます。歌う曲なら、自分がいちばん気持ちよく歌える高さを選ぶのが正解。迷ったら、まずは仕組みが分かりやすい「Cメジャー(Cキー)」で始めてみましょう。
コツは、コードを数字(度数)で覚えること。キーの中で使う和音には1番から順に番号がふられていて、この番号で覚えておけば、あとでキーを変えても同じ型をそっくり移動できます。Cキーなら、それぞれの番号はこうなります。
| 番号 | コード(Cキー) | ざっくりの役割 |
|---|---|---|
| 1 | C | 安定・家に帰った感じ |
| 4 | F | 広がり・出発 |
| 5 | G | 盛り上げ・次へ進む力 |
| 6 | Am | 切なさ・かげり |
定番進行のほとんどは、この1・4・5・6を中心に、たまに3(Em)や2(Dm)が加わるだけ。まずはこの6つが鳴らせれば十分です。
ここが本題です。まず、この4つを覚えてください。どれもCキーの実例で書きます。楽器やDAWでそのままループさせてみましょう。
C → G → Am → F(1-6-4-5の並べ替えでよく1-5-6-4と表記)。明るく安定していて、そのまま無限にループできます。世界中のヒット曲で使われる、いちばん失敗しない入口です。
C → G → Am → Em → F → C → F → G。パッヘルベルのカノンで有名な、壮大で少し泣ける流れ。じわじわ下がっていく感じが、サビや感動的な場面に合います。
F → G → Em → Am(4-5-3-6)。J-POPで最も耳にする進行のひとつ。切なさと前向きさが同居していて、「エモい」と言われる曲の多くがこれです。
Am → F → G → C(6-4-5-1)。マイナー(暗いコード)から始まる疾走感が特徴。ダンス系や、駆け抜けるようなサビに強い進行です。
| 進行 | 実例(Cキー) | 雰囲気 |
|---|---|---|
| 1645進行 | C→G→Am→F | 明るい・安定・王道 |
| カノン進行 | C→G→Am→Em→F→C→F→G | 壮大・泣ける |
| 王道進行 | F→G→Em→Am | 切ない・エモい |
| 小室進行 | Am→F→G→C | 疾走感・エモい |
この型の上に鼻歌でメロディを乗せれば、もう曲の骨組みは完成です。メロディの作り方そのものに迷ったら、作曲のやり方|メロディの作り方の基本と型もあわせて読んでみてください。
「どれを使えばいいか分からない」という人は、作りたい曲の気分を先に一言で決めるのがおすすめです。
気分を決めてから型を選ぶと、迷子になりません。そして大切なのは、選んだらまず最後まで通してみること。合わなければ別の型に差し替えればいいだけです。手を動かすほど、自分の好みの進行が見えてきます。
定番進行をそのまま使うだけでも十分曲になりますが、少しだけ手を加えると「おっ、うまい」と感じさせる響きになります。むずかしく考えず、次のどれか1つを足すところから始めましょう。
コードの一番低い音(ベース)だけを変える技です。たとえば C → G/B → Am とすると、ベースが C→B→A と一段ずつ下りて、進行がすべるようになめらかになります。表記の「G/B」は「GのコードをベースだけBにする」という意味です。
同じ役割の別のコードに置き換える方法。たとえば C を Em や Am に、F を Dm に差し替えると、進行の骨格はそのままに、少し陰影のある大人っぽい響きになります。いつもの型が新鮮に聞こえます。
最後のサビだけ全体を半音上げる「転調」は、盛り上げの定番。いきなりで難しければ、次のコードへ橋渡しするセブンス(G7など)を一瞬はさむだけでも、場面が切り替わる感じが出ます。
さらにコーラスで厚みを足すと、宅録でもぐっとプロっぽくなります。ハモリの重ね方はハモリの作り方と付け方の基本|3度・上ハモ下ハモをやさしく解説にまとめました。
知識より、鳴らして耳で確かめるのがいちばんです。次の順番でやれば、その日のうちに1コーラス作れます。
DAWがまだ手元になくても、スマホの録音機能とループ音源だけで十分スタートできます。ここで作った骨組みを1曲に仕上げるところまでは、オリジナル曲の作り方 完全ガイド|初めての1曲から配信までが地図になります。最初の1曲は、うまさより「最後まで通す」ことが何よりの財産になります。
A. 作れます。まずは定番の型を1つ丸ごと真似するのがいちばんの近道です。カノン進行や1645進行のように、世界中のヒット曲で使われている並びをそのまま鳴らし、その上に鼻歌でメロディを乗せれば、それだけで曲になります。理論は、慣れてきてから「なぜ気持ちいいのか」を後追いで理解すれば十分です。
A. まずは1645進行(キーがCならC→G→Am→F)から始めるのがおすすめです。明るく安定していて、そのままループさせても気持ちよく、メロディが乗せやすいからです。慣れたら、切なさが出る王道進行(F→G→Em→Am)や、疾走感のある小室進行(Am→F→G→C)に広げていくと、表現の引き出しが一気に増えます。
A. 1つのキーで使う基本の6つ(Cキーなら C・Dm・Em・F・G・Am)を押さえれば、定番進行はほぼ作れます。まずはこの6個を順番に鳴らせるようにするだけで十分です。おしゃれさを足したくなったら、セブンスや分数コードを1つずつ加えていけば、無理なく世界が広がります。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
スタールートは、これから曲作りを始める人を全力で応援する音楽事務所です。コード進行の組み立てから、メロディづくり、DAWの使い方、そして完成した曲の配信まで、全国どこからでもオンラインで伴走します。プロと一緒に作品を仕上げる楽曲制作のサポートも可能。楽器が弾けなくても、未経験でも大丈夫です。相談は何度でも無料。まずは「こんな曲を作りたい」を、そのまま話しに来てください。