「作曲したいけど、コード進行がわからない」——ここでつまずく人はとても多いです。でも安心してください。コード進行は、まず「王道パターン」を真似るところから始めれば、音楽理論を知らなくても気持ちのいい曲の土台が作れます。名曲の多くも、同じ定番進行を使っています。この記事では、まず覚えたい王道進行、使える7つの和音(ダイアトニックコード)、進行を作る3ステップ、雰囲気別の選び方、メロディとの順番、そしてマンネリを抜ける工夫まで、理論は最小限で、1曲分の進行が作れるようになる手順をまとめました。
コード(和音)とは、複数の音を同時に鳴らした「響き」のこと。そのコードを時間の流れにそって並べたものがコード進行です。曲でいえば、メロディや歌詞を支える土台にあたります。同じメロディでも、下に敷くコード進行が変われば、明るくも切なくも聴こえる。それくらい、進行は曲の印象を左右します。
難しく感じるかもしれませんが、実はヒット曲の多くは、限られた定番の進行を使い回しているのが現実です。つまり、ゼロから難解な理論を組む必要はありません。まずは定番を真似て、そこに自分のメロディと歌詞をのせる——これが、いちばん確実で早い作曲の入口です。作曲全体の流れは作曲のやり方にまとめています。
コード進行の勉強を全部やる必要はありません。まずは、この4つの王道進行を覚えるだけで、たいていの曲が作れます。キーC(ハ長調)での例で示します。
| 名前 | 進行(キーC) | 雰囲気 |
|---|---|---|
| 王道進行 | F → G → Em → Am | J-POPの定番。切なく盛り上がる |
| カノン進行 | C → G → Am → Em → F → C → F → G | 王道の美しさ。安定感と感動 |
| 小室進行 | Am → F → G → C | 疾走感・エモさ。サビ映え |
| 4536進行 | F → G → Em → Am(=王道の別名) | 使いやすく万能 |
まずは、この進行を楽器やアプリで実際に鳴らしてみるのがいちばんです。「あ、この響き、あの曲だ」と気づくはずです。気に入った進行を1つ、まるごと真似て、その上でメロディを口ずさんでみましょう。それだけで、もう作曲は始まっています。コード進行そのものに著作権は認められにくく、王道進行は誰でも自由に使えます。
王道進行に慣れたら、次は「そのキーで使える7つの和音」=ダイアトニックコードを知っておくと、自分で進行を組めるようになります。キーCなら、次の7つが基本の和音です。
| 度数 | コード(キーC) | 性格 |
|---|---|---|
| Ⅰ | C | 安定・帰ってくる場所 |
| Ⅱm | Dm | やや切ない・つなぎ |
| Ⅲm | Em | 物憂げ・大人っぽい |
| Ⅳ | F | 明るく広がる・始まり向き |
| Ⅴ | G | 緊張・次へ進みたくなる |
| Ⅵm | Am | 切ない・エモい主役級 |
| Ⅶm(♭5) | Bm(♭5) | 不安定・使いどころ限定 |
この7つの中から選んで並べれば、その多くが自然な進行になります。とくにC・F・G・Amの4つは使用頻度が高く、この4つだけでも無数の曲が作れます。「安定(C)から始めて、緊張(G)を作り、また安定(C)に帰る」——この行って帰る感覚が、進行づくりの芯です。キーが変われば同じ度数で別のコードになるだけなので、まずキーCで感覚をつかみましょう。
実際に自分で進行を作る手順は、シンプルに3ステップです。
いきなり全部オリジナルにしようとせず、「王道9割+自分1割」くらいから始めるのがコツ。1か所変えるだけで、既視感のある進行が、あなたの曲の顔になります。Aメロ・Bメロ・サビでコードの動きの「濃さ」を変えると、曲に起伏が出ます。サビはいちばん映える進行(小室進行など)を、と決めておくと設計がラクです。サビの作り方はサビの作り方を参考に。
「こういう雰囲気の曲にしたい」から進行を選ぶ方法もあります。出したい空気から逆算すると、迷いません。
| 出したい雰囲気 | おすすめの入口 |
|---|---|
| 明るく前向き | C・F・G中心(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ) |
| 切ない・エモい | Amから始める・王道進行 |
| 疾走感・青春 | 小室進行(Am→F→G→C) |
| 感動・壮大 | カノン進行 |
| おしゃれ・大人 | Ⅶ・Ⅱm・分数コードを混ぜる |
迷ったら、まず「明るい=Cから始める」「切ない=Amから始める」の2択で考えると分かりやすいです。始まりのコードが、その曲の第一印象を決めます。作りたい曲に近いリファレンス曲のコードを調べて真似るのも、上達の近道です。
「コードとメロディ、どっちを先に作る?」——これはよくある疑問ですが、どちらでもOKです。それぞれに向き・不向きがあります。
はじめはコード先行がおすすめです。土台があると、その上で自由に歌えるからです。慣れてきたら、鼻歌からメロディ先行にも挑戦してみましょう。メロディが浮かばないときはメロディが思いつかないときの対処法が役立ちます。どちらの作り方も、行き来できるようになると引き出しが一気に増えます。
王道進行に慣れると、今度は「同じような曲ばかりになる」という壁にぶつかります。抜け出すための、代表的な3つの工夫を紹介します。まずは1か所だけ試すのがコツです。
いきなり全部を使いこなす必要はありません。気に入った1つを、1か所だけ試す。それだけで、いつもの進行が新鮮に響きます。編曲で曲の構成を組み替える発想は曲の構成とアレンジも参考に。少しずつ引き出しを増やしていきましょう。
コード進行は、頭で考えるより鳴らして耳で確かめるのがいちばんです。今は、無料のスマホアプリやDAW(作曲ソフト)で、コードを打ち込んですぐ聴けます。
楽器が弾けなくても、打ち込みなら誰でも進行を試せます。宅録・DTMの始め方は宅録のやり方にまとめています。まずは王道進行を一つ打ち込んで、ループさせながら鼻歌をのせてみてください。そこから、あなたの曲が生まれます。
どれも、知っていれば避けられます。とくに大事なのは「真似から始める」こと。真似は、最も効率のいい練習です。
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全部そろわなくても大丈夫。まずは王道進行を一つ鳴らして、鼻歌をのせるところから。真似た進行が、あなたの最初の一曲の土台になります。
A. 作れます。まずは『王道進行』と呼ばれる定番パターンをそのまま使えば、理論を知らなくても気持ちのいい進行が作れます。名曲の多くも、同じ王道進行を土台にしています。理論は、作りながら少しずつ『なぜ良いのか』を後から知っていけば十分です。まずは真似から始めましょう。
A. どちらでも構いません。コードから作ると曲の雰囲気が安定し、メロディから作ると歌いやすい曲になりやすいです。初心者は、まず王道のコード進行を鳴らし、その上で口ずさむようにメロディをのせる『コード先行』が作りやすくおすすめです。慣れたら両方を行き来しましょう。
A. よくある悩みです。抜け出すコツは、王道進行の一部を別のコードに置き換える(代理コード)、途中でキーを変える(転調)、ベース音だけ変える(分数コード)など。まずは1か所だけ変えてみると、同じ進行でも表情が大きく変わります。少しずつ引き出しを増やしていきましょう。
A. 一般に、コード進行そのものに著作権は認められにくいとされています。王道進行は多くの曲で共通して使われており、真似ても問題になりにくいです。ただしメロディや歌詞は著作物なので、既存曲をそのまま使うのは避け、進行を土台に自分のメロディ・歌詞をのせましょう。