歌が上手くなりたいのに、何をどう練習すればいいか分からない——そんな人はとても多いです。じつは、上達する人と伸び悩む人の差は、才能ではなく練習の中身と続け方にあります。この記事では、自宅でスマホだけ、毎日たった15分でできる練習メニューを7つに分けて紹介します。1日で全部やらなくても大丈夫。今日はどれか1つ、から始めてください。
「歌の練習」と聞くと、好きな曲を最初から最後まで何度も歌うことをイメージする人が多いです。もちろん楽しいのですが、それだけだと苦手な部分がずっと苦手なまま残ります。上達する人は、歌を「呼吸」「発声」「音程」「リズム」「表現」といった部品に分けて、弱いところを個別に鍛えています。
スポーツと同じです。サッカーが上手くなりたい人が、いつも試合形式ばかりやっても、パスの精度は上がりにくい。ドリブル、パス、シュートを分けて練習するから伸びます。歌も同じで、部品ごとに短く区切って回すのが、じつは近道です。
そして、練習は長くやることより、毎日切らさないことが効きます。声は筋肉の使い方で決まるので、運動と一緒で、少しずつ体に覚えさせるのがいちばん定着します。だから15分。長すぎると続かないし、短すぎると効果が薄い。7つのメニューを、その日の気分で組み替えながら回していきましょう。
まずは全体像を、時間配分の表で見てください。この通りにやらなくてもかまいません。あくまで「1日に全部やるとこのくらい」という目安です。
| メニュー | 目安時間 | 鍛えるもの |
|---|---|---|
| 腹式呼吸 | 3分 | 声の安定・息の量 |
| リップロール・発声 | 3分 | 喉のゆるみ・声の通り |
| 音程トレーニング | 3分 | 正しい音を当てる力 |
| リズム練習 | 2分 | タイミングの正確さ |
| 1曲通し歌い | 3分 | 本番の再現・表現 |
| 録音チェック | 1分 | 客観的に自分を聞く |
歌が不安定になる原因の多くは、息が続かない・息が浅いことです。ここを整えるのが腹式呼吸。仰向けに寝て、お腹に手を当てて息を吸うと、自然にお腹がふくらみます。あの感覚を立ったままでも作れるようにするだけで、声の安定はぐっと変わります。
やり方はシンプルです。
これを数回。慣れたら吐く時間を10秒、12秒と伸ばしていきます。ポイントは、肩を上げないこと。肩が上下する人は胸だけで呼吸していて、これだと高い声や長いフレーズで苦しくなります。腹式呼吸の詳しい練習は腹式呼吸のやり方でさらに掘り下げているので、うまく掴めない人はそちらも読んでみてください。
いきなり大声を出すのは、準備運動なしで全力疾走するようなものです。喉を痛める原因にもなります。そこで使うのが「リップロール」。唇を軽く閉じて息を吐き、「プルルルル」と唇を振動させる、あの音です。
リップロールをしながら、低い音から高い音へゆっくり声を滑らせます。サイレンのように「ウ〜〜〜」と上下させるイメージです。これをやると、喉に力が入らないまま声の高低を出す感覚がつかめます。最初は唇が続かなくても大丈夫。息の量が安定してくると、自然と長く続くようになります。
喉に負担をかけない声の出し方は、長く歌い続けるうえで欠かせません。声がすぐ枯れてしまう人は声が枯れる・喉を痛めない歌い方とケアも合わせて読むと、原因がはっきりします。
「音痴かも」と悩む人の多くは、じつは声が出ないのではなく、正しい音を耳で捉えて、それを声で再現するという2つの技術がまだ育っていないだけです。どちらも練習で伸びます。
スマホの無料ピアノアプリを開いて、1つの音を鳴らし、その音を「ア〜」と声で当ててみます。合っているかどうかは、音程を判定してくれる無料アプリで確認できます。ドレミファソラシドを一音ずつ、ゆっくり。外れても落ち込まないこと。外れた音を「今のは少し高かった」と気づけるようになるのが、上達の第一歩です。
音程が安定しない、そもそも音痴を直したいという人は、音痴は直る?自宅でできる改善ステップで改善手順を段階的にまとめています。
意外と見落とされがちなのがリズムです。音程が合っていても、リズムがズレていると「なんか下手に聞こえる」原因になります。特にサビで走ってしまう(速くなる)人は多いです。
練習はメトロノームアプリを使います。テンポをゆっくりめに設定して、手拍子を合わせるだけ。慣れたら、好きな曲のワンフレーズを、メトロノームに合わせて歌ってみます。自分が「走りやすい」のか「もたつきやすい」のか、どちらの癖があるかを知るだけでも、歌の印象が変わります。
「サビになると気持ちが前に出て、いつも走ってた。メトロノームで練習したら、走ってたことに初めて気づけた」。ズレている自覚さえ持てれば、直すのはあっという間です。厄介なのは、ズレに気づかないまま歌い続けてしまうことのほうです。
部品の練習をしたら、最後は本番形式です。好きな曲を1コーラス、通しで歌います。ここで大事なのは、ただ声を出すのではなく、歌詞の意味を意識すること。誰に、どんな気持ちで歌っているのかを思い浮かべながら歌うと、同じ声でも伝わり方がまったく違います。
表現の練習をもっと深めたい人は、感情を込めて歌うにはで、伝わる歌の作り方を具体的に解説しています。技術と表現は両輪で、どちらか片方だけでは人の心には届きません。
これは地味ですが、いちばん効く習慣かもしれません。スマホのボイスメモで、今歌った1コーラスを録音して、聞き返すだけ。多くの人が「自分の声、思ってたのと違う」とショックを受けますが、それでいいんです。自分の歌を客観的に聞けるようになることが、上達の入口だからです。
聞くときは、粗探しではなく「どこが良かったか」も1つ見つけてください。ダメ出しだけだと続きません。良かった所を伸ばし、気になった所を1つだけ翌日直す。この繰り返しが効きます。録音のコツや、上手く聞こえる録り方は録音で歌が上手く聞こえる歌入れのコツにまとめています。
7つ目は、毎日ではなく週に1回のメニューです。日曜の夜など、決まったタイミングで、今週いちばん良く録れたテイクを聞き返します。1週間前の録音と比べると、自分では気づかない小さな成長が見えます。
1つでも当てはまれば、それは確かな成長です。ここで大事なのは、他人と比べないこと。SNSを見ると、自分より上手い人ばかり目に入って心が折れそうになります。でも、比べる相手は「先週の自分」だけで十分です。比べて苦しくなる気持ちの整理は他人と比べてしまう問題でも触れています。
会社員のみなみさんは「歌ってみた」を投稿したいのに、自分の声が下手に聞こえて一歩踏み出せずにいました。この7つのうち、まずは腹式呼吸・音程・録音の3つだけを、通勤前の10分でスタート。1週目は録音を聞くのも嫌だったそうですが、3週目には「サビの高い所が前より楽」と実感。録音への抵抗も薄れ、初めての投稿に踏み切れました。特別な機材も、長い練習時間も必要なかった、という一例です。
A. なります。歌は運動と同じで、長時間まれにやるより、短くても毎日続けるほうが体が覚えます。15分でも、呼吸・発声・音程・表現を分けて練習すれば、2〜3週間で声の安定を実感する人が多いです。大事なのは時間の長さより、毎日声を出す習慣を切らさないことです。
A. 大きな声を出さなくても練習できます。腹式呼吸やリップロール、口ずさむ程度の小さな声でも、呼吸と音程の感覚は十分に鍛えられます。どうしても声が出せない環境なら、カラオケボックスや車の中を練習場所にする人も多いです。
A. 多くの場合、改善します。音程が外れる原因の多くは、耳で正しい音を聞き取れていないか、その音を声で再現できていないかのどちらかです。どちらも練習で伸ばせる技術で、生まれつきの才能ではありません。ピアノアプリで一音ずつ合わせる練習を続けると、少しずつ音を当てられるようになります。
A. まずは独学で毎日15分から始めて問題ありません。基礎は自宅でも身につきます。ただし、自分の癖は自分では気づきにくいため、伸び悩んだタイミングで一度プロに聞いてもらうと、独学の何ヶ月分かを一気に短縮できます。目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。詳しくはボイトレの始め方もどうぞ。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
毎日の練習で声が育ってきたら、次は「聴いてもらう」段階です。スタールートは、歌の発信からSNS運用、オリジナル曲の制作まで、全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。未経験でも、まだ人前で歌ったことがなくても大丈夫。相談は何度でも無料です。あなたの声を、どこに、どう届けるかを一緒に考えます。