「歌は練習した。でも、曲間のMCで何を話せばいいのか分からない」。ライブ活動を始めた人のほとんどが、この壁にぶつかります。緊張で頭が真っ白になる、沈黙が怖い、面白いことなんて言えない——。でも、安心してください。MCは、才能でもセンスでもなく「型」です。話す内容を先に決めておけば、口下手でも成立します。この記事は、苦手を克服する具体的な型と、そのまま使える例文を並べました。
まず、いちばんの誤解を解きます。MCで笑いを取る必要はありません。お笑い芸人のように場を沸かせる話術は、アーティストのMCには要りません。むしろ、無理に面白いことを言おうとして空回りするほうが、印象を悪くします。
MCの本当の目的は2つだけです。お客さんとの距離を縮めることと、次の曲を深く聴いてもらうこと。この2つを果たせれば、たとえ噛んでも、地味でも、MCは成功です。飾らない言葉で想いをまっすぐ伝えるほうが、あなたのファンにはずっと響きます。
「何を話せばいいか分からない」の答えは、実はとてもシンプルです。話す材料は、この3つで足ります。
| 材料 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| お礼 | 来てくれたことへの感謝 | 「今日は来てくれてありがとう」 |
| 自己紹介 | 自分が何者か | 「◯◯という名前で歌っています」 |
| 曲の背景 | 次に歌う曲の物語 | 「この曲は、◯◯なときに書きました」 |
この3つを短く伝えるだけで、MCは十分に成立します。特に強力なのが3つ目の「曲の背景」です。同じ曲でも、「この曲は、上京してひとりぼっちだった夜に書きました」と一言添えるだけで、初めて聴く人の心の入り方がまるで変わります。曲に物語をつける——これがMCのいちばんの武器です。歌に感情を乗せる話は感情を込めて歌うにはもあわせてどうぞ。
MCも、1回ごとに小さな「型」に沿わせると迷いません。基本は3ステップです。
大事なのは、1回のMCで伝えることを1つに絞ることです。あれもこれも詰め込むと、話が長くなり流れが途切れます。「このMCでは自己紹介だけ」「このMCでは次の曲の話だけ」と役割を決めておくと、短くまとまります。MCをどこに入れるかは、セットリストの作り方で曲順とセットで設計するのがおすすめです。
ここからは、場面別にそのまま使えるフレーズを並べます。自分の言葉に少しずつ置き換えて使ってください。
「改めまして、◯◯です。今日は数あるライブの中から、この場所に来てくれて本当にありがとうございます。まだ知らない人が多いと思うので、少しだけ自己紹介させてください。普段は◯◯をしながら、こうして歌を作っています」
「次の曲は、去年いちばんうまくいかなかった時期に書いた曲です。あのとき、こんな夜が明けるなんて思っていませんでした。同じように、今しんどい人に届いたらうれしいです。聴いてください——『◯◯』」
「今日、一緒に出させてもらっている皆さんの演奏、本当に素敵でした。こういう場所で出会えるのが、ライブのいちばん好きなところです」(対バンのマナーもどうぞ)
「あっという間で、もう最後の曲です。今日ここで過ごした時間を、少しでも覚えて帰ってもらえたら幸せです。もしよかったら、SNSものぞいてみてください。それでは最後の曲、聴いてください」
この締めのMCには、もう一度だけ名前を言うのがおすすめです。ライブが良かったと思ってくれた人ほど、帰り道に「この人、なんて名前だっけ」となりがちだからです。「最後まで聴いてくれてありがとう、◯◯でした」と名前で締めるだけで、あとで検索してもらえる確率が上がります。締めの一言に、フォローしてほしいSNSのアカウント名を一つだけ添えるのも効果的です。あれこれ言わず、覚えてほしいものを1つに絞るのがコツです。
どんなに準備しても、本番は緊張します。頭が真っ白になったときのために、保険を用意しておきましょう。
本番全体の緊張対策は本番であがらない方法やライブ本番で力を出す準備にまとめています。緊張は「敵」ではなく「本気のサイン」。完全になくそうとせず、付き合い方を覚えるのがコツです。
MCは、ライブ本番でしか鍛えられない——と思われがちですが、家でできる練習があります。
MCで語った曲の物語は、そのままSNSの投稿ネタにもなります。ライブでの言葉を発信に横展開すると、来られなかった人にも想いが届きます。何を投稿するか迷う人はSNS投稿ネタ50も役立ちます。
A. 話すことは大きく3つで足ります。来てくれたお礼、自分が何者かの自己紹介、そして次に歌う曲の背景です。この3つを短く伝えるだけで、MCは十分に成立します。おもしろい話や気の利いた一言は必要なく、まっすぐな言葉のほうがむしろ伝わります。
A. 1回のMCは1〜2分が目安です。長く話すほど良いわけではなく、間延びすると流れが途切れます。話す内容を事前に決めておき、伝えたいことを1つに絞って短くまとめると、テンポの良いライブになります。回数もライブ全体で数回に絞るのがコツです。
A. 事前に話す内容を紙に書き、キーワードだけを覚えておくのが最も効きます。丸暗記だと一度つまずくと止まりますが、キーワードだけなら思い出せます。それでも飛んだときは、無理に続けず「次の曲、聴いてください」と曲に逃げて大丈夫です。演奏でつながれば問題ありません。
A. 必要ありません。MCの目的は笑いではなく、お客さんとの距離を縮め、次の曲を深く聴いてもらうことです。無理に面白いことを言おうとすると、かえって空回りします。飾らない言葉で想いを伝えるほうが、あなたのファンには響きます。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
スタールートは、MCやライブでの見せ方から、その言葉をSNSの発信につなげるところまで、全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。未経験でも、人前が苦手でも大丈夫。あなたらしい伝え方を、一緒に見つけていきます。相談は何度でも無料。まずは今の悩みを、そのまま話しに来てください。