HOMECOLUMN / ライブ

ライブ2025.08.21

セットリストの作り方|盛り上がる曲順

同じ曲を、同じ人が歌っても、曲順が違うだけでライブの印象は別物になります。盛り上がるライブには、必ず理由のある曲順があります。逆に、良い曲ばかり並べたのに客席が乗り切らないときは、たいてい順番でつまずいています。この記事は、初めてでも「盛り上がるセットリスト」を組めるように、1曲目とラストの決め方から緩急のつけ方、MCの位置まで、そのまま真似できる型で説明します。

セットリストは「感情の設計図」

セットリスト(セトリ)とは、ライブで演奏する曲の順番を並べたものです。ただの曲のリストではありません。お客さんの感情を、どう動かすかの設計図です。

良い映画に起承転結があるように、良いライブにも流れがあります。最初につかみ、中盤で緩急をつけ、ラストで感情のピークを作る。この波を意識せずに好きな曲を並べると、盛り上がりが平坦になり、印象に残らないまま終わってしまいます。曲順を制する人が、ライブを制します。

POINTセトリで意識するのは「体力」と「感情」の2つの波。ずっと全力だと客席が疲れ、ずっと静かだと飽きる。上げて、落として、また上げる。この緩急が"盛り上がった"という記憶を作る。

STEP1:曲数と時間を先に決める

まず、持ち時間から曲数を計算します。ここを先に決めないと、時間をオーバーして途中でカットする羽目になります。目安はこうです。

持ち時間曲数の目安MCの回数
対バン(25〜30分)5〜7曲1〜2回
ミニライブ(40分)8〜10曲2〜3回
ワンマン(60分)12〜16曲3〜4回

計算はシンプルで、1曲=約4〜5分、MC=1回1〜2分で足し算します。ここで大事なのは、余白を残すこと。転換や、客席が沸いてすぐ次に行けない時間、アンコールの可能性を考えて、持ち時間ぴったりに詰め込まないのがコツです。「少し余るくらい」でちょうど収まります。

STEP2:1曲目とラストから決める

セトリを頭から順番に埋めようとすると、たいてい迷子になります。プロがやるのは逆で、いちばん大事な「1曲目」と「ラスト」を先に決める方法です。この2曲さえ決まれば、間はぐっと組みやすくなります。

1曲目:つかみで勝負する

1曲目の役割は、その場の空気を一瞬で自分のものにすることです。特に初対面のお客さんが多い対バンでは、静かなバラードより、テンポが良くイントロで引き込める曲が向きます。代表曲を最初に置く必要はありません。1曲目は「場を温める係」だと割り切りましょう。

ラスト:いちばん伝えたい1曲を

ラストは、その日いちばん心に残したい曲を置きます。ここが感情のピークです。熱狂で終えたいならアップテンポ、余韻で締めたいなら代表曲やバラード。お客さんが会場を出てからも口ずさむのは、たいていラストの曲です。だからこそ、いちばん力を入れて選びます。

「最後に、この曲を聴いてほしくて今日ここに立っています」——ラスト前のMCでこう言えると、その1曲の重みが何倍にもなります。

STEP3:緩急(波)をつくる

1曲目とラストが決まったら、間を埋めます。ここで意識するのが緩急です。ずっとアップテンポだと客席が疲れ、ずっとスローだと飽きる。波を作ることで、盛り上がりのメリハリが生まれます。

基本の波は、こう考えます。

  • 序盤(1〜3曲目):勢いのある曲で一気に引き込む。MCは最小限。
  • 中盤(4〜中間):一度テンポを落とし、バラードや弾き語りで聴かせる。感情を深く。
  • 後半:もう一度上げていき、ラストに向けて熱量を積む。

「上げる → 落とす → また上げる」。この山を作るだけで、同じ曲でもライブがぐっと立体的になります。中盤の"落とし"を怖がって全曲アップテンポにすると、逆に盛り上がりが平坦になるので注意です。バラードの聴かせ方に自信がない人は感情を込めて歌うにはも参考になります。

ずっと同じ熱量で走り続けるライブは、実は「一本調子」で記憶に残りにくい。落ち着く1曲があるからこそ、その後の再加速が効く——緩急は、サボりではなく設計です。

STEP4:MCの位置を設計する

MC(曲間のトーク)も、セトリの一部です。入れる位置で流れが決まります。よくある失敗が、毎曲ごとにMCを挟んで勢いを止めてしまうこと。MCは絞って、効かせるのが基本です。

  • 最初の2〜3曲は演奏を続け、勢いを作る(MCなし or 一言だけ)
  • 序盤が落ち着いたところで、自己紹介MCを入れる
  • 中盤の"落とす"曲の前に、その曲の背景を語る
  • ラスト前に、いちばん伝えたい想いを短く

MCが苦手で「何を話せばいいかわからない」という人は多いです。話す内容を事前に決めておくだけで、本番の不安が大きく減ります。型と例文はライブMCの話し方にまとめました。

そのまま使える曲順の型(テンプレ)

ここまでの考え方を、対バン(30分・6曲)の具体例に落とし込みます。曲名はあなたの曲に置き換えてください。

順番役割選ぶ曲のイメージ
1曲目つかみアップテンポで勢いのある曲
2曲目畳みかけノリの良い曲を続ける(MCなし)
MC自己紹介・今日の意気込み(1分)
3曲目個性を出すあなたらしさが最も出る曲
4曲目落とすバラード or 弾き語り(聴かせる)
MCラスト前・いちばんの想いを短く
5曲目再加速もう一度テンポを上げる
6曲目ラスト(ピーク)いちばん伝えたい代表曲
ミニ事例弾き語りのユイさん(仮名・活動1年)は、以前はバラード中心で「良い曲なのに客席が乗らない」のが悩みでした。この型に沿って、1曲目をアップテンポに、中盤に落としを1曲だけ置く構成に変えたところ、初対面が多い対バンでも手拍子が起きるように。「曲は変えていないのに、反応が明らかに変わった」と話しています。

もう一つ、今のライブで意識したいのが「切り抜きになる1曲」を曲順のどこに置くかです。TikTokやInstagramのリールで演奏の一節が広がり、そこからライブに人が来る流れは、もう珍しくありません。だからこそ、いちばん映える曲・いちばんサビが強い曲を、撮影しやすい明るい照明の場面や、客席が沸くタイミングに置いておくと、あとで短い動画に切り出しやすくなります。ラストのピークだけでなく、「ここは撮ってほしい」という見せ場を曲順に1つ仕込んでおく。この一手間が、ライブ後の発信を助けます。撮った素材の活かし方はリールで音楽を伸ばすにまとめました。

POINTセトリは「その場の盛り上がり」と「あとで残る素材」の両方を設計する時代。サビが強い1曲を、撮りやすい場面に置いておくと、ライブが終わった後もSNSで働き続けてくれる。

曲が足りないときの埋め方

ワンマンや長めのライブで「曲が足りない」となったとき、無理に新曲を急いで作る必要はありません。既存の持ち曲で、こう埋められます。

  • カバーを1〜2曲:知っている曲があると客席がほっとする(カバーの選び方
  • 同じ曲のアレンジ違い:バンド版と弾き語り版で表情を変える
  • メドレー:短い曲やインストをつないで見せ場を作る

大切なのは、曲数を無理に増やすより一曲一曲の見せ方を濃くすることです。同じ持ち曲でも、順番と見せ方で満足度は大きく変わります。オリジナルを増やしていきたい人はオリジナル曲の作り方もどうぞ。

セトリ完成チェックリスト

  • 持ち時間から曲数を計算し、余白を残したか
  • 1曲目は「つかみ」の強い曲か
  • ラストは「いちばん伝えたい1曲」か
  • 中盤に一度"落とす"曲を入れて緩急をつけたか
  • MCの位置を絞り、話す内容を決めたか
  • 曲間の転換(楽器の持ち替え等)に無理がないか
  • 紙に書いて、実際に通しで時間を測ったか

よくある質問

Q. セットリストは何曲くらいで組めばいいですか?

A. 持ち時間で決まります。対バンの25〜30分なら5〜7曲、MC込みのワンマン60分なら12〜16曲が目安です。1曲を約4〜5分、MCを1回1〜2分で計算し、転換やアンコールの余白を残して組むと、時間をオーバーせずに収まります。

Q. 1曲目は何を選べばいいですか?

A. つかみの強い曲、つまりテンポが良く、イントロで一気に空気を作れる曲が向いています。初対面のお客さんが多い対バンでは、バラードよりアップテンポで始めるほうが客席の集中を得やすいです。自分の代表曲を1曲目に置く必要はなく、あくまで場を温める役割で選びます。

Q. MCはどこに入れればいいですか?

A. 最初の数曲は演奏を続けて勢いを作り、中盤で一度MCを入れて自己紹介や曲の背景を語るのが定番の流れです。MCを毎曲入れると流れが途切れるので、位置を絞り、ここぞという曲の前に物語を添えると、その曲の聴かれ方が深まります。

Q. ラストはバラードとアップテンポ、どちらがいいですか?

A. どちらでも成立しますが、狙う余韻で選びます。会場を熱狂で終えたいならアップテンポ、心に残す余韻で締めたいなら代表曲やバラードが向きます。大切なのは、その1曲がその日いちばん伝えたいメッセージであること。ラストは感情のピークとして最も力を入れて選びます。

STAR ROUTE MUSIC AGENCY

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スタールートは、セットリストの組み立てからライブの見せ方、そこから先の楽曲制作やSNSでの発信まで、全国どこからでもオンラインで伴走する音楽事務所です。「良い曲なのに客席が乗らない」——その原因は、順番や見せ方にあることが少なくありません。相談は何度でも無料。あなたのライブを、次に進む一日にしましょう。

※ 本記事は情報提供を目的としたものです。最新の内容・料金・キャンペーン等は無料相談時にご案内します。スタールートは全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。

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