「頭の中ではもっと切ない曲だったのに、出てきたのは元気なポップス」。Sunoを使っていて、こういうズレにガッカリした人は多いはずです。結論から言うと、思った曲が出ないのは才能でもセンスでもなく、指示の書き方の問題であることがほとんど。プロンプトには「効く順番」と「効く粒度」があります。この記事では、ジャンルやムードの言語化から、スタイル欄と歌詞欄の役割分担、メタタグの使い方、そして狙いに寄せる微調整の回し方まで、そのまま真似できる具体例つきで整理します。読み終わるころには、頭の中の曲をだいぶ引き出せるようになっているはずです。
Sunoが変な曲を出すのではありません。多くの場合、指示が「あいまい」か「盛りすぎ」のどちらかです。たとえば「かっこいい感じの曲」とだけ書いても、AIにとっての「かっこいい」は無限にあります。逆に「切なくて激しくて優しくて壮大でおしゃれなロックバラード」のように形容詞を詰め込むと、要素どうしが打ち消し合って、輪郭のぼやけた平均的な曲になります。
コツは、伝えるべき情報を分解して、必要なぶんだけ具体的に渡すこと。人間の作曲家に発注するときも「なんかいい感じで」では困りますよね。ジャンル、テンポ、雰囲気、ボーカル、主役の楽器。この5つを押さえるだけで、出力の安定度は大きく変わります。
まず大前提として、Sunoには大きく2つの入力欄があります。ここを混同すると狙いがぶれます。
ありがちな失敗が、スタイル欄に歌詞の断片を書いてしまう、あるいは歌詞欄に「明るいポップスで」と設計の指示を書いてしまうケースです。設計はスタイル欄、歌う言葉は歌詞欄。この住み分けを守るだけで、意図が正しく伝わりやすくなります。日本語で自然に歌わせたい人は、母音や語尾の扱いにコツがあるのでSunoで日本語の歌詞を歌わせる方法もあわせて読んでみてください。
スタイル欄に入れる情報は、次の5つを意識すると迷いません。それぞれ英語の定番ワードで書くほうが解釈がぶれにくい傾向があります。
| 要素 | 書くこと | 具体例 |
|---|---|---|
| ジャンル | 音楽の種類 | city pop / acoustic ballad / lo-fi hip hop / J-rock |
| ムード | 感情・雰囲気 | nostalgic / melancholic / warm / uplifting |
| 楽器 | 主役にしたい音 | electric piano / acoustic guitar / synth pad / strings |
| テンポ | 速さ(BPM) | 70 BPM(バラード)/ 120 BPM(軽快) |
| ボーカル | 声の性質 | female vocal / soft male vocal / airy / powerful |
これを一行につなげると、たとえば「city pop, nostalgic, warm female vocal, electric piano, 90 BPM」のようになります。ポイントは順番ではなく「1曲につき1つの世界観」に絞ること。ジャンルを2つ混ぜたいときも、まずは片方で作ってから寄せていくほうが安定します。テンポは数字で指定できると狙いに近づきやすく、バラードなら60〜80、ミドルなら90〜110、アップなら120以上が目安です。
「サビをもっと盛り上げたい」「静かに始めて後半で爆発させたい」。こうした展開の狙いは、歌詞欄のメタタグで伝えます。各ブロックの前に、角カッコで役割を書くだけです。
たとえば静かなAメロから大サビへ持っていきたいなら、Verseは言葉数を少なめに、Chorusで言葉を増やして母音を伸ばすと、AIも自然に盛り上げてくれます。何もタグを付けないとAIが構成を勝手に決めるため、サビが立たなかったり展開が平坦になったりしがちです。狙いがあるならタグで導く、おまかせでいいなら付けない。この使い分けで十分です。
言葉だけだとイメージしにくいので、目的別に3つ挙げます。スタイル欄にそのまま貼って、そこから微調整してください。
1. 泣けるバラード
スタイル欄:acoustic ballad, melancholic, warm, soft female vocal, piano and strings, 68 BPM
歌詞欄の頭に[Intro]、サビ前に[Pre-Chorus]、サビに[Chorus]を置く。
2. 通勤で聴きたいシティポップ
スタイル欄:city pop, nostalgic, groovy, smooth male vocal, electric piano and funky bass, 100 BPM
間奏を効かせたいので、2番のあとに[Instrumental]を入れる。
3. ショート動画に映えるアップ曲
スタイル欄:upbeat J-pop, bright, energetic, powerful female vocal, punchy drums and synth, 128 BPM
冒頭からサビにしたいなら、いきなり[Chorus]から歌詞を始める。
3つとも「ジャンル・ムード・楽器・テンポ・ボーカル」がひととおり入っているのが分かるはずです。基本操作や作品への活かし方はSuno(AI作曲)の使い方と作品への活かし方にまとめているので、はじめての人はそちらから触ってみてください。
一発で理想が出ることは、正直ほとんどありません。大事なのは作り直し方です。鉄則は「1回につき1要素だけ変える」こと。テンポだけ、ボーカルだけ、楽器だけ、と変数を絞れば、どの指示がどう効いたのかが見えて、狙いに寄せていけます。全部いっぺんに変えると、良くなったのか悪くなったのかが分からなくなります。
感覚としては、彫刻のように少しずつ削って寄せていくイメージです。5回も回せば、最初とは別物のように狙いへ近づきます。AI作曲全般の考え方や注意点はAI作曲の使い方と注意点でも整理しています。
最後に、逆効果になりやすい書き方をまとめます。心当たりがあれば1つ直すだけでも変わります。
なお、Sunoの機能や入力欄の名称、メタタグの対応、料金プランは時期によって変わりうるものです。この記事の書き方も2026年時点の一般的な整理なので、うまく動かないときは、その時点の公式ヘルプや最新の仕様も確認してみてください。作った曲を配信・販売したい人は、権利まわりをSuno AIで作った曲は配信・販売していい?で先に確認しておくと安心です。
A. スタイル欄のジャンル・ムード・楽器・テンポ・ボーカルは、英語の定番ワードのほうが解釈がぶれにくい傾向です。pop、city pop、female vocal、90 BPMのように音楽の共通語は英語が安定します。一方、歌詞欄は日本語で書けば日本語で歌ってくれます。設計は英語ぎみ、歌わせたい言葉はそのままの言語、と役割で分けるのがおすすめです。仕様は更新されるので、迷ったら公式の書き方も確認してください。
A. 必須ではありませんが、展開を狙いどおりにしたいなら有効です。各ブロックの前に[Verse][Pre-Chorus][Chorus][Bridge][Outro]を置くと、どこがサビか間奏かをAIが理解しやすく、盛り上がりを設計できます。何も付けないとAIが自動で構成を決めるため、サビが弱くなることがあります。狙いがあるならタグで導き、おまかせでいいなら付けない、で十分です。
A. 1回につき1要素だけ変えるのがコツです。テンポだけ、ボーカルだけ、と変数を絞れば、どの指示がどう効いたか分かり、狙いに近づけます。形容詞を盛りすぎるとぼやけるので、要素は3〜5個に絞り、良かったテイクを土台に少しずつ寄せてください。それでも詰まるなら、プロに歌や演奏を重ねてもらうなど、人の手を足す発想も有効です。
STAR ROUTE MUSIC AGENCY
プロンプトを磨けば、狙った曲はかなり引き出せます。でも、良い曲ができることと、その曲がちゃんと人に届いて伸びていくことは、別の話です。どんなジャンルで勝負するか、誰に届けるか、配信やSNSでどう広げるか。そこには戦略と、一緒に考えてくれる存在がいると強い。スタールートは、AIツールも上手に使いながら、あなたの曲を作品として磨き、届けるところまで全国どこからでもオンラインで伴走します。押し売りはしません。まずは今作っている曲を聞かせるつもりで、無料エントリー面談で気軽に相談してください。